デジタル人材『採用』と『外注』、月の費用でどちらが安いのか実データで計算した
デジタル人材「採用」と「外注」、月の費用でどちらが安いのか実データで計算した
「デジタル人材を採用しようか、外注しようか。月にいくらかかるのか正直わからない」——そんな悩みを持つ経営者・担当者に向けて、デジタル人材の採用と外注の費用を実データをもとに比較します。結論を先に言うと、中小企業の多くのケースでは外注のほうが総コストを抑えられます。ただし、条件によって逆転します。この記事を読めば、自社に合う選択肢が見えてきます。
この記事の結論
デジタル人材の採用と外注の費用を計算すると、採用は月50〜80万円超(人件費+採用コスト)になるケースが多く、外注は業務範囲を絞れば月10〜30万円台から始められます。どちらが安いかは「業務量」と「継続性」で変わります。
– 要点1: 正社員採用は給与以外の隠れコスト(社会保険・採用費・教育費)が大きく、月換算で想定の1.5〜2倍になりやすい
– 要点2: 外注は月10〜50万円の幅があり、業務を絞るほど割安になる
– 要点3: まず「月何時間・何の業務が必要か」を棚卸しし、それをもとに見積もりをとるのが最短ルート
デジタル人材とは何をする人か、まず整理する
「デジタル人材」という言葉は範囲が広いので、まず整理します。
デジタル人材とは、ウェブ・データ・広告など、デジタル領域で事業の成果を出せる人のことです。
中小企業が求める場面でよく出てくる役割は、主に次の4つです。
| 役割 | 主な業務 |
|---|---|
| ウェブ制作・更新 | サイト作成・修正・デザイン |
| ウェブ広告運用 | リスティング広告(検索連動型広告)・SNS広告の管理 |
| SEO担当 | 検索順位を上げるコンテンツ設計・対策 |
| データ分析 | アクセス解析・レポート作成・改善提案 |
中小企業では「一人で全部やってほしい」という要望も多いですが、それぞれに専門スキルが異なります。採用と外注どちらを選ぶかを考えるとき、まず「何の業務がどのくらいの頻度で必要か」を明確にすることが出発点です。
採用した場合の月コストを計算してみる
「採用のほうが安い」と感じる方も多いですが、給与以外のコストを計算すると話が変わります。
月給だけ見ると見落とすコストがある
デジタル人材として中途採用する場合、2026年現在の相場は次の通りです(あくまで市場の目安です)。
| スキル帯 | 想定月給(手取りではなく支給額) |
|---|---|
| 経験1〜3年(ジュニア) | 25〜35万円 |
| 経験3〜5年(ミドル) | 35〜50万円 |
| 経験5年超(シニア) | 50万円〜 |
ただし、会社が実際に払うのは月給だけではありません。
採用の「隠れコスト」一覧
会社側が負担するコストを月換算で整理すると、次のようになります。
| コスト項目 | 概算(月換算) |
|---|---|
| 社会保険料の会社負担分(給与の約15%) | 月給の約15% |
| 採用費(求人サイト・エージェント費用など)の月割り | 5〜15万円 |
| 研修・ツール・PC等の環境整備費 | 2〜5万円 |
| 教育コスト(先輩社員の時間コスト換算) | 1〜3万円 |
例:月給35万円の人を1名採用した場合の月次コスト試算
- 月給:35万円
- 社会保険会社負担:約5.3万円
- 採用費の月割り(年間60万円と仮定):5万円
- 環境整備・教育費:3万円
- 合計:月約48万円
⚠️ 「月給35万円で雇える」と思っていた人材が、実際は月50万円近くのコストになるケースは珍しくありません。採用費を年間120万円以上かけるケース(大手エージェント活用など)では、月換算がさらに10万円以上増えます。
外注した場合の月コストを計算してみる
外注(業務委託・制作会社・コンサルへの依頼)の費用は、業務の範囲と頻度によって大きく変わります。
外注の相場帯(月額)
| 外注先の種類 | 業務例 | 月額の目安 |
|---|---|---|
| フリーランス(ウェブ制作) | サイト更新・LP制作 | 5〜20万円 |
| フリーランス(広告運用) | リスティング・SNS広告管理 | 5〜30万円 |
| 制作会社・代理店(月次サポート) | 運用保守+広告+SEO込み | 15〜50万円 |
| コンサルティング会社(戦略系) | 改善提案・分析 | 30〜100万円 |
> ※ 上記はあくまで市場の目安です。依頼する業務量・会社規模・地域によって変わります。
外注で費用が変わるポイント
外注費を下げやすい条件は次の3つです。
- 業務の範囲を絞る(例:「広告運用だけ」「月次レポートだけ」)
- 成果物の数を明確にする(例:「月2本の記事制作」)
- 長期契約で単価を抑える(月次契約より半年・年間契約が割安なケースが多い)
なお、ウェブ制作を外注する際に失敗しやすいポイントは別記事でまとめています。依頼前にぜひ依頼前に確認すべき8つのチェックポイントをご覧ください。
採用と外注、費用を並べて比較する
ここが本記事の核心です。採用と外注の月コストを条件別に比較します。
条件ごとの費用比較表
| 条件 | 採用(月換算) | 外注(月換算) | 安いのは? |
|---|---|---|---|
| 週5日フルタイム・複数業務担当 | 50〜80万円 | 40〜70万円 | ほぼ同等〜外注がやや高い場合も |
| 週3日・特定業務(広告のみ等) | 採用困難・パート探しが必要 | 10〜25万円 | 外注が圧倒的に安い |
| 戦略立案+実務の両方を求める場合 | 60〜90万円 | 50〜100万円 | ケースバイケース |
| 業務が月10〜20時間程度 | 採用では持て余す | 5〜15万円 | 外注一択 |
### ポイントまとめ
- 業務量が少ない・業務が絞られているなら外注が安い
- フルタイムで複数業務を任せる規模なら、採用の単価は外注に近づく
- ただし採用の場合、雇用リスク・育成コスト・退職リスクが別途かかる
費用だけでは決めてはいけない、判断の軸を整理する
費用だけで選ぶと後悔しやすいです。中小企業が採用・外注を選ぶときに考えるべき軸を整理します。
採用が向いているケース
- デジタル業務が会社の中核業務であり、毎日・常時対応が必要
- 社内にノウハウを蓄積したい、将来的に内製化を目指している
- 社内文化・ブランドの理解が深い人材が必要
外注が向いているケース
- デジタル業務の量がまだ少ない(月50時間以下が目安)
- 専門性の高い業務(SEO・広告最適化など)をすぐに成果につなげたい
- 採用・育成にかける時間・リソースが今はない
「まず外注で始める」が中小企業の現実解
採用は準備から入社まで平均3〜6ヶ月かかります(業種・職種による)。外注なら早ければ2〜4週間で動き始められます。
中小企業の多くが取る現実的な流れは次のとおりです。
- 外注でまず動き始め、成果が出るか確認する
- 業務量が増えてきたら、内製化(採用)を検討する
- 外注先のノウハウを社内に移転しながら移行する
Webマーケティング全体の始め方については、中小企業がウェブマーケティングを始める7ステップで詳しく解説しています。外注と組み合わせた全体像を把握したい方はこちらも参考にしてください。
また、「Web集客がなかなかうまくいかない」と感じている場合、デジタル人材の問題だけでなく施策そのものに課題があるケースも多いです。Web集客がうまくいかない原因と解決策も合わせてご確認ください。
費用の比較や業務の棚卸しに迷ったら、まずは専門家に相談するのが一番の近道です。お気軽にお問い合わせください(個別の状況に応じた相談が可能です)。
よくある質問
Q1. デジタル人材の採用と外注、そもそも何が違いますか?
A. 採用は会社の社員として雇用し、毎月給与を払う形です。外注は業務を会社や個人に委託し、成果物や稼働時間に応じて費用を払います。雇用の有無・指揮命令の関係・コストの固定/変動の点が大きく異なります。
Q2. デジタル人材を外注するときの月額費用はどのくらいですか?
A. 業務内容により幅があります。ウェブ更新・広告運用など特定業務の部分委託なら月5〜30万円が目安です。複数業務を込みでサポートする場合は月15〜50万円程度が多いです。依頼する業務量を明確にすると見積もりが取りやすくなります。
Q3. なぜ採用の月コストは給与より高くなるのですか?
A. 給与のほかに、社会保険の会社負担分(給与の約15%)・採用費(求人サイト・エージェント利用料)・PC・ツール等の環境整備費・教育コストが加わります。これらを合計すると、月給の1.3〜1.6倍になるケースが一般的です。
Q4. 採用と外注では、どちらが成果が出やすいですか?
A. 一概には言えませんが、すぐに成果が欲しい・専門業務を任せたいなら外注が有利です。外注先はすでに知識・経験・ツールを持っています。採用の場合、即戦力であっても自社のサービス理解・環境構築に数ヶ月かかる点は考慮が必要です。
Q5. 外注と採用を組み合わせることはできますか?
A. できます。例えば「採用したWeb担当者が日常更新を担当し、SEO・広告は外注の専門家に任せる」という分担は中小企業でよく選ばれます。すべてを採用・外注どちらかに寄せる必要はなく、業務の性質ごとに使い分けるのが現実的です。
まとめ
デジタル人材の採用と外注の費用を比較した結論は次のとおりです。
- 採用は月給以外の隠れコストが大きく、月換算で月給の1.3〜1.6倍になりやすい
- 外注は業務を絞れば月10〜30万円台から始められ、中小企業にとって費用面で柔軟性が高い
- 判断の軸は「業務量」と「継続性」。月50時間以下の業務量なら、外注が費用的に有利になるケースが多い
- まず外注で始め、成果・業務量に応じて採用を検討する流れが現実的
費用だけでなく、スピード・専門性・リスクも含めて選ぶことが大切です。まずは「月に何時間・どんな業務が必要か」を整理してみてください。
「自社の場合はどちらが合っているか、費用感を知りたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。