『デジタル人材採用に年500万円』『月2.5万円の外注スポット体制』|3年間の総費用と成果で比較した損益分岐点
『デジタル人材採用に年500万円』『月2.5万円の外注スポット体制』|3年間の総費用と成果で比較した損益分岐点
デジタル人材の採用と外注、どちらが本当に得なのか。採用コスト・外注費・損益分岐点を3年間の実数で比べると、答えが見えてきます。「なんとなく採用したほうが安心」という感覚で動くと、数百万円の判断ミスにつながることもあります。この記事では、中小企業の経営者・Web担当者が今すぐ使える判断基準を整理しました。
この記事の結論
デジタル人材の採用と外注には、それぞれ明確な損益分岐点があります。3年間の総費用で比べると、業務量・スキルの深さ・社内体制によって「どちらが得か」が変わります。
– 要点1: 採用コストは初年度だけで300〜500万円超になることが多く、外注は月2〜5万円から始められるケースもあります
– 要点2: 損益分岐点は「月何時間デジタル業務が発生するか」によって変わる。目安は月40〜60時間以上で採用優位になる傾向があります
– 要点3: まずは外注スポット体制から始め、業務量が増えたタイミングで採用を検討するのが現実的な進め方です
デジタル人材の「採用 vs 外注」、何が違うのか
採用は「社内に人を置く」こと、外注は「必要なときに外の力を借りる」ことです。一見シンプルですが、コスト構造がまったく異なります。
採用・外注それぞれの定義
| 項目 | 採用(正社員・契約社員) | 外注(業務委託・エージェンシー) |
|---|---|---|
| 費用の発生タイミング | 毎月固定でかかる | 業務量に合わせて変動する |
| スキルの蓄積 | 社内に知識が残る | 担当者が変わると引継ぎが必要 |
| 対応スピード | 社内ですぐ動ける | 依頼〜着手にタイムラグが出ることも |
| 初期コスト | 採用費・研修費で高くなる | 初期費用を抑えやすい |
| 向いている規模感 | デジタル業務が月40〜60時間以上ある | デジタル業務が月40時間未満 |
> ポイント: 「どちらが安いか」だけで決めると失敗しやすいです。業務量・社内体制・成長フェーズも合わせて判断することが大切です。
採用コストの実態:初年度だけで何百万円かかるか
採用は「給与」だけを見ていると実態コストを大幅に見誤ります。
初年度にかかる採用コストの内訳(目安)
デジタル人材(Webマーケター・Web担当者等)を1名採用した場合の初年度コストの目安を整理します。
| コスト項目 | 目安金額(年) | 補足 |
|---|---|---|
| 年収(給与) | 300〜450万円 | 社会保険料は別途加算 |
| 社会保険・法定福利費 | 給与の約15〜20% | 45〜90万円程度 |
| 採用費用(求人広告・エージェント) | 30〜100万円 | エージェント経由は年収の20〜35%が相場 |
| 入社後の研修・ツール費 | 10〜30万円 | 社内教育にかかる人件費も含む |
| 初年度の合計(目安) | 約400〜670万円 | 給与だけで判断すると100〜200万円見誤ることも |
「年収500万円でデジタル人材を採用する」と決めた場合、実際には初年度だけで600万円を超えることも珍しくありません。
2年目以降も固定費は続く
2年目以降は採用費が消えますが、給与・社保・ツール費は毎年かかります。3年間の合計では1,200〜1,500万円規模になるケースが多いです。
外注スポット体制の実態:月2.5万円から何ができるか
外注は「月いくら」よりも「何時間分の業務が動くか」で判断するのが正確です。
月2.5万円の外注で動く業務の目安
月2.5万円(年30万円)の外注スポット体制では、おおよそ以下のような業務が動くケースがあります(業者・契約内容によって異なります)。
- Webサイトの軽微な更新・文言修正
- SNS投稿の月数回サポート
- Google広告(リスティング広告)の簡単な数値確認・レポート作成
- 月1回の簡易SEO確認
つまり「専任担当をゼロから育てるより先に、外注で土台を作る」という使い方に向いています。
月額帯別・外注でできることの目安
| 月額 | 年間コスト | 対応できる業務の目安 |
|---|---|---|
| 2〜3万円 | 24〜36万円 | 更新補助・SNS補助・簡易レポート |
| 5〜10万円 | 60〜120万円 | SEO記事制作・広告運用(小規模)・LP制作 |
| 15〜30万円 | 180〜360万円 | 総合的なWeb集客・複数施策の並走 |
| 30万円〜 | 360万円〜 | 採用1名分に近いリソース確保 |
外注費が月30万円を超えてくると、採用1名の固定費と同水準になってきます。ここが損益分岐点を考える出発点になります。
3年間の総費用で比較する損益分岐点の考え方
損益分岐点(ここでは「採用と外注のコストが逆転するライン」)は、月の業務量・外注単価・採用コストの3つで変わります。
3年間の総費用比較(モデルケース)
以下は、よくある中小企業のモデルケースで比べた例です(実際の費用は条件によって変わります)。
| 採用(デジタル人材1名) | 外注スポット体制(月2.5万円) | |
|---|---|---|
| 1年目 | 約500〜670万円 | 約30〜36万円 |
| 2年目 | 約400〜550万円 | 約30〜36万円 |
| 3年目 | 約400〜550万円 | 約30〜36万円 |
| 3年合計 | 約1,300〜1,770万円 | 約90〜108万円 |
| 差額(3年間) | — | 約1,200〜1,660万円の差 |
※ 採用側は給与・社保・採用費・研修費を含む目安。外注は月2.5万円固定の場合。
ただし、この比較だけで「外注が圧倒的に得」とは言えません。理由は下記の通りです。
コスト比較だけでは見えない「成果の質」の差
- 採用の場合:社内にスキルが蓄積され、対応スピードや施策の深さが上がる傾向があります
- 外注の場合:コストは低いが、業務量が増えると手が回らなくなることもあります
Web集客がうまくいかない理由はコストだけでなく「体制」にもあります。Web集客がうまくいかない原因と解決策をまとめた記事も参考にしてください。
どちらを選ぶべきか:業務量・フェーズ別の判断基準
結論:月のデジタル業務時間が40〜60時間を超えるなら採用、それ以下なら外注スポット体制が現実的な選択肢です(あくまで目安)。
採用が向いているケース
- デジタル施策が会社の主力事業に直結している
- 月40〜60時間以上のWeb・広告・SNS業務がある
- 社内の意思決定スピードに外注の対応が追いつかない
- ブランド戦略や顧客データを社内で管理したい
外注スポット体制が向いているケース
- まだWebマーケティングを始めたばかり
- 月のデジタル業務が40時間未満
- まずは低コストで成果を検証したい
- 専門スキルを持った社員を採用する予算がない
フェーズ別のおすすめ体制
| フェーズ | おすすめ体制 | 理由 |
|---|---|---|
| 立ち上げ期(Webを始めたばかり) | 外注スポット | コストを抑えて試しながら動ける |
| 成長期(施策が増えてきた) | 外注拡大 or 兼任担当 | 業務量に合わせて柔軟に対応 |
| 安定期(施策が軌道に乗った) | 採用検討 | 社内にスキルを蓄積するタイミング |
Webサイトを外部に任せるかどうか迷っている段階なら、ウェブ制作を依頼するときに確認すべき8つのポイントもあわせてご覧ください。
また、Webマーケティング全体の始め方については、中小企業のWebマーケティングを7ステップで解説した記事が参考になります。
中小企業の場合、いきなり採用に踏み切るより、外注体制で実績を積みながら「本当に内製化が必要か」を見極めるほうがリスクを抑えられます。静岡を中心に、外注スポット体制から始めてWeb集客を軌道に乗せた事例も増えています。まずは現状の課題を整理することから始めましょう。
→ 現状のWeb体制・デジタル業務の量を一緒に整理したい方は、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q1. デジタル人材の採用コストとは何ですか?
採用コストとは、求人広告費・エージェント費用・入社後の研修費・給与・社会保険料など、人材を採用して働いてもらうためにかかるすべての費用のことです。給与だけでなく、周辺費用も含めると初年度だけで数百万円規模になることがあります。
Q2. 外注スポット体制はどうやって始めればいいですか?
まず「月に何時間分のデジタル業務があるか」を書き出すことから始めます。業務量が明確になったら、その量に合った外注先に見積もりを依頼します。月2〜5万円の小さなスポット契約から始めて、成果を見ながら拡大するのが失敗しにくい進め方です。
Q3. なぜデジタル人材を内製化(採用)する必要があるのですか?
外部に依頼し続けると、社内に知識・ノウハウが蓄積されにくいという課題があります。また、施策のスピードや柔軟性を上げたいとき、社内に担当者がいると意思決定が早くなります。デジタル施策が会社の核になってきたタイミングが、採用を検討する目安です。
Q4. 採用と外注の損益分岐点はどう計算しますか?
「外注で同じ業務量をこなすと年間いくらかかるか」と「採用した場合の年間総コスト(給与+社保+採用費)はいくらか」を比べます。外注コストが採用コストに近づいてきたタイミング(目安として月15〜30万円の外注費用)が損益分岐点の目安になります。ただし業者の単価や業務内容によって変わるので、個別に計算することをおすすめします。
Q5. 月2.5万円の外注で、SEOや広告の成果は出ますか?
月2.5万円では対応できる業務量は限られます。SEO記事の本格的な制作や広告運用の最適化には、より多くの工数が必要です。低コスト体制の場合は「更新補助・数値確認・月次レポート」など、サポート的な役割として活用するのが現実的です。成果を出すには、予算・業務量・目標を明確にした上で外注範囲を決めることが大切です。
まとめ
デジタル人材の採用コストと外注コストの損益分岐点は、月の業務量によって大きく変わります。
ポイントをまとめます。
- 採用は初年度だけで400〜670万円規模になることが多く、3年間では1,000万円を超えるケースもある
- 外注スポット体制は月2〜30万円の幅があり、業務量に合わせて柔軟に設計できる
- 月のデジタル業務が40〜60時間未満なら外注が現実的。それ以上になってきたら採用を検討するタイミング
- 損益分岐点は「外注費が採用総コストに近づくとき」。目安は月15〜30万円の外注費用
「まず外注で始めて、成果が出たら採用へ」という順番が、中小企業にとってリスクの少ない進め方です。採用コスト・外注費・損益分岐点のどれか一つだけで判断せず、3年間の総費用と自社の業務量を合わせて考えることが大切です。
現状のデジタル体制を一緒に整理して、最適な進め方を考えたい方は、まずはお気軽にご相談ください。静岡を拠点に、中小企業のWeb集客を一緒に考えています。